2024年6月27日~29日まで、アイルランド・リムリック大学で行われた SASE 2024 Annual Conference に参加しました。SASE(Society for the Advancement of Socio-Economics)は Socio-Economic Reviewを出版している学会です。

私は、いずれも共著で2件の報告を行いました。

  • Yoshida, Wataru, Hironobu Bito, 2024, “Gender-Age Alignment in Organizations and Its Effect on Men’s Use of Parental Leave System: The Case of Japan,” The 2024 SASE Annual Meeting, June 28, Oral Presentation. SLIDES
  • Sonoda, Kaoru, Wataru Yoshida, 2024, “Employment Inequality in Diversifying Diversity Workforce: Difference in Employing Minorities for Gender, Nationality, and Disability in Japanese Firms,” The 2024 SASE Annual Meeting, June 28, Oral Presentation. SLIDES

SASEにははじめて参加しましたが、かなり自分の関心に合う学会でした。定量分析にもとづく報告でも、分析戦略やモデルについて詳しく議論するよりは、対象とする国の社会的・制度的文脈、あるいは理論との関連に重点が置かれていた点が印象的でした。日本を対象とする実証研究の成果を、いかにして国際的な文脈に位置づけるかを考えるうえで、有益な示唆が得られる学会だと思います(すべての国際学会は、多かれ少なかれそういった側面をもつのでしょうが)。

個人的には、自分の問題関心とも大きく重なる、オランダ企業の女性役員比率について研究していたUniversity of Groningenの研究グループと知り合えたのは大きな収穫でした。また、Elizabeth GormanやDon Tomaskovic-Devey, Eunmi Munなど、これまで文献を引用してきた著者たちの発表を聞けたのも良い経験でした。

Mun先生によると、ASAやAOMなど規模がとても大きい学会と比べて、参加者の問題関心も近くネットワーキングもしやすいとのことで、新しい参加者を歓迎する空気もあります。日本からの参加者は多くないですが、日本の事例に興味がある人もそれなりにいる印象を受けました。

次回のSASE2025は、7月9-12日の日程で、カナダ・モントリオールで開催予定です。報告応募は秋に開始され、12月16日が締め切りです。

カテゴリー: 研究